GOZI帆布のカバンができるまで

 

イメージをカタチに、


テーマ(ショルダーバッグ、トートバッグ、サイズ、スタイル、など、)に沿って

紙にカバンのイメージ画を描く。良いイメージが出来るまで何十パターンも描く。

(表現したい部分からイメージを膨らませることもあります。)

全体のイメージがまとまれば細部を具体的に描く。

頭の中でシュミレーションを繰り返す。

実際、パーツごとの試作を作り、検証。繰り返し。

全体の配置、配色、作り方の方法、表現の方法など実現可能か、

シミュレーションの繰り返し。

仮の寸法を入れた展開図を作成。試作を作り使用、検証。細部見直し。修正繰り返し。

試作品の完成。

制作の元となるイメージ図、展開図の清書。


作品によっては、途中良いアイデアが出ないため保留になり、

製品になるまで数年を要するものもあります。

#11のリュックは、11号帆布を使い出すまで、

 具体的なイメージができなかったので、完成まで7年かかりました。)


9号帆布と11号帆布はそれぞれの生地の特徴を念頭にデザインしています。

製品作り

カバンのカタチになれば、ほぼ完成です。

後は、スチームを当ててシワ伸ばしとチョークマーク消し。

製作時にひっくり返すので、どうしてもシワだらけになります。

シワを伸ばしても新品の頃は多少目立ちます。

チョークマークとは、爪など硬い物で生地表面を擦ったときに

できる白い線のことです。

生地の表面が潰れて線に見えているため、

スチームを当てることにより繊維が起き上がり消えます。

その後、細部の最終点検をして完成します。

生地を巻きから外すと、わずかに縮みます。

このまま正確にカットしてパーツを切り出しても、

時間が経てば、寸法が小さくなり、

使い物にならなくなります。

その為、大きめにカット(粗取り)して、

およそ一日、縮みきって寸法が安定するまで

写真のように置いておきます。

その後パーツを展開図を元に正確に切り出します。

粗取りをするとき、

天然素材の帆布は生地にムラやネップがあり、

それをどう処理するかが頭を悩ませます。

生地の裁ち方も、耳から垂直に裁つのか、

目に沿って裁つのかパーツによって違います。

さらに、生地には縦方向と横方向があるので、

特性により、どう取るかを決めてあります。

パーツごと切り分けたら定規や自作の治具で

折線付けと、位置決めのマーキングをします。

製品作りは、なるべく早く沢山作りたいと努力しますが、

それより大切なことは正確に丁寧に作ることです。

1ミリの狂いをよしとすると、全体で大きな狂いになることもあるからです。

折線に沿って正確に折り曲げます。

すべてのパーツの曲げとマーキング、ネーム付けが

終われば、いよいよ縫いの工程に入ります。

厚物用の上下送りミシンで、パーツ同士を

縫い合わせてカタチにしていきます。

糸は厚物の革製品を縫うのに定評のある、

強度の高いクラレのビニモ #20, #8を使っています。

この糸は非常にコシが強く、糸の端末がハサミでカット

しただけだとピンと跳ね上がるので、

GOZI帆布では糸の先端を、コテを使って

焼き潰しています。

以上がGOZI帆布の製品が出来るまでの大まかな流れです。


GOZI帆布製品をお使いの方や、購入を検討されている方に,

当工房で製品がどのように作られているか、知って頂ければ幸いです。

生活の中でGOZI帆布の製品が、お役に立てれば幸いです。

試行錯誤、いろいろな発見をしながらカバンを作ってきました。

モノ作り、カバン作りを始める方などの、なにかの参考になれば幸いです。

製品によっては、

試作段階で耐水試験を行い、

どこからどのように浸水するか見極め、

必要な対策を施します。

ストラップ、フタ、ポケットなどの

試作パーツの一部